2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「やぁ、戻って来たんだって。」 副長のチルは悪戯っぽそうにシルバーブルーの瞳をキラキラさせると、にこにことした顔でミルに声を掛けました。掛けられた方のミルにすると、副長と船内の通路でばったりの出会い頭だった事から、意表を突かれた形で一瞬驚き…
土筆(85) 「お前何かあったんだろう。」母は直ぐ家に帰ろうとせずに私に尋ねるのでした。「私も親だから分かる。」というと娘の顔を覗き込もうとします。別に何でもないと、私は涙を見られ無い様に...... >続きを読む 社長は最初から社長ではない、という…
その日の午後の事だったと思う、多分昼食後に、私はその頃いつも皆の遊び場になっていたお寺の境内へとやって来た。私が境内に足を踏み入れると、ふと何かしら何時もとは違った気配を感じるのだった。その為私は勇んでいた足を緩めると、周囲に気を配りなが…
土筆(84) 答えを返して来なかった初めての相手が自分の親戚のお兄ちゃん、自分の従兄であれば尚更でした。この時私は世に出て初めて年上の人間、世間の人というものにはっきりとした失望感を得たのでし...... >続きを読む こうやって過去を振り返ってみる…
土筆(82) そうです、この日の空は一部気流が速く、雲が走っている所がありました。彼が気付かない内に、空には新しい雲が現れ、太陽もそんな流れの速い雲の交錯する中で、現れたり隠れたりしていたので...... >続きを読む 夕日は脆弱な太陽のイメージです…
土筆(81) 『何時もとお日様も違うな。』この時彼は何時もとは違う夕日の見え方を疑問に思いました。が、今日1日の疲労がそれ以上考えようとした彼の頭の回転を止めました。太陽が空にあるのだから...... >続きを読む 今日は暑かったです。扇風機を組み立…
土筆(79) 「もう、他の人の物なの、あの太陽よ?」私は指さして従兄に夕日を示しました。従妹はにんまり笑うと「そうだよ、あの太陽だよ。」と答えるのです。私は心底驚きました。冗談という物はも...... >続きを読む 後から生まれた悲哀を感じる場面です…
土筆(78) 彼は再び彼女に向き直り勿体ぶった様に言いました。「もうあれは他の人の物だからね。君の物にはならないんだ。」というような、彼女が思いも掛けなかった驚くような事を言い出しまし...... >続きを読む 太陽は、誰かの太陽になっているものであ…
どちらを書こうかで迷います。 パソコンの調子もよくないようだし。 取り敢えず今日は買い物へ。
今日は小満(しょうまん)だそうです。陽気が良くなって、万物の成長する気が次第に長じて天地に満ち始めることからこう言うそうです。 暑いです。する事も多く、気忙しいです。次の作品まで少々おまちください。
土筆(75) が、その内、見ていた従妹が形よく手を上げると、手振り身振りで拍子を取り、くるくると優雅に数回まわって見せるのです。まるで何かの舞を舞って見せてくれているよです。彼女は驚きました、...... >続きを読む 風が強いです。夕方から雨になる…
「作り手の手を見て分かったのよ。」 彼女は夢の中にいるような瞳になると言葉を続けました。 「それはもう、それはもう、色々な花の色に染まって黒ずんだ見苦しく汚れた酷く痛んだ手だったわ。」 しかも彼の目の周りには隈が出来て、細くしょぼしょぼの目を…
「僕はもう帰るよ。」 ミルは腰かけていた場所から立ち上がりました。もうさっさと彼女と別れて1人山道を歩きたい気分でした。 「待って、私も帰るから。」 そこ迄一緒に行きましょうという彼女に、少々嫌気がさしながらもミルは愛想よく承諾すると先に立っ…
「新鮮な人だったわ、ミルは。」 彼女はそう言うと、俯いて懐かしさをかみしめるように穏やかに微笑みました。一方ミルの方では、その後の初期教育の団体の場で漸く初めて彼女に出会うのでした。 「僕も君に出会ったのは新鮮な驚きだったよ。」 ミルのいう様…
土筆(72) 『一体、この世界に何が起こったんだろう?』私は訳も分からず只々動揺するばかりでした。 周りをよく見ようと何度か目を擦って見てみるのですが、太陽光線の射る様な光をまともに受けた...... >続きを読む この舞台の時期、SFが流行っていたよ…
幼い日のある日、彼女は山の中腹にある高台から景色を眺めていました。すると彼女は眼下の野原で動いている2つの影を発見しました。何だろうとよく見ると、それは地球でいうなら兎に当たるような小動物と、それを追いかけている1人の少年でした。彼女が更に…
土筆(71) 私にはきっと輝く未来が待っている。自分は確実に玉の輿に乗れるだろう。彼女はそう確信すると、自分の未来への明るい展望や夢を延々と瞼の裏に描いてみるのでした。彼女の目の前には広大な映...... >続きを読む どんなに小さくても、女の子は夢…
それはずーっと以前の事だ、と、彼女は話し始めました。彼女と彼女の夫はやはりこの裏山で出会ったのだという事でした。幼い2人は別々に、共に彼等の両親とこの山へ遊びに来ていたのでした。昼食後、両親と離れ1人雑木林の中に分け入った彼女は、そこで同じ…
「ミルのお祖父さんもお歳だから…。」 話の途中で、ふと彼女はそう言うと、言い淀みましたが、 「一人暮らしはもうそろそろきついのかもしれない。ミルの両親に帰ってきてもらえるとよいのだろうけれど。」 彼女は静かにしんみりとした声で話すのでした。お…
土筆(69) 「お前が本気なら、お前の事を断る男なんてこの世には居ないぞ。」「うん、きっと居ないな。」そう兄は太鼓判を押してやるのでした。その言葉に彼女はにっこり笑うと目を輝かせました。「...... >続きを読む うーん、今日も良いお天気です。今年…
土筆(67) 「お前、そんな泣き方、体によく無いぞ。」兄が妹に穏やかに声をかけました。「お前こそ変だ、何で何時もみたいに泣き喚かないんだ?」そうも言ってみます。妹の方はまだ声が出せ...... >続きを読む 今日は母の日です。ありがとうお母さん。
「酷いなぁ。」 あそこの足場が悪いなら悪いと教えてくれればよかったのに、ミルも苦笑いしながら彼女に苦情を言うのでした。ここで昔馴染み同士は如何にも楽しそうに笑い合うと、親し気に明るく思い出話に花を咲かせるのでした。 2人の昔話が一頻済むと、…
しみじみとした気分で、とっぷりと日の暮れた頃に首を長くして彼を待つ祖父の元へと帰宅したミルは、玄関で彼を出迎える祖父ににっこりと笑って見せるのでした。懐かしくてつい時間の経つのを忘れてしまったと笑うのでした。 2日程してミルはまた山へ向かい…
土筆(65) ついポロリと口を衝いて出てしまった言葉でした。彼女は直ぐに内心ハッとして後悔したのですが、出てしまったものは仕方がない、という具合に直ぐに諦めてしまいました。『一旦口から出た...... >続きを読む 良いお天気が続きます。今週は忙しい…
懐かしいなぁ、こうやって一緒に歩いているとあの頃が甦ってくるみたいだ。ミルは思いました。学舎でも一緒の事が多かったけど…、 「僕達、この山でもよく偶然出合ったよね。」 ミルがそうしみじみとした調子で、昔通りの親しさで話し出すと、 「そうでもな…
土筆(63) 「お前の所の妹が、旅の余所者に自分の親戚の世話を押し付けていたぞ。」「このままにして置いていいのか、身内の事は身内で見るのが筋だろう。」と、彼は耳の痛い忠告をされてここへ...... >続きを読む 10連休のGWも、今日が最後となりました…
「今晩地域の会合が有るの。」 彼女の話では、会合で出されるアルコール類で参加者の多くの深酒が予想される事から、このカウの実で翌朝の二日酔い患者対策のカウ・ジュースを搾るということでした。彼女はこの区域の診療所の医師をしていたのです。 「どん…
土筆(61) 「親戚の事だから。」「親戚のした事だから。」彼女はよくこの言葉を父や伯父、彼等の親である祖父から聞いていました。何か親戚と揉め事があった時があるのでしょう、父に連れられて父の...... >続きを読む 今日は建国記念日です。昨日に続き良…