2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧
祖父は偉いなぁ、私は素直に感動出来た。私の事を厭う視線を彼から受けていながら、私は彼に対して敬愛の念を込めて微笑んだ。そんな私の視線が分かったのだろう、彼は一寸横を向いてから再び私に視線を戻し、はにかんだような、照れたような笑みを私に返し…
「云、そうだよ。私は何も悪い事はしていない。」と『思う。』。私は答えた。 私は、やや母に対して尊大な態度を取った事を内心悪びれてはいた。が、表面何喰わない顔をしてこの時祖父に同意した。すると私の父は、えっとばかりに驚いた。急に狼狽えると、い…
「姉さんも、まぁ、」 …堪え性の無い。そんな言葉を口にしながら、祖父は私の方をチラッと見上げた。その視線には私を責める様な物が有った。何かしら?私がこう思いながらも、少なからず自責の念に駆られたのは否めない。 この事について、私は過去に当の母…
うの華 104 縁側で転んで、床の木目を間近に見た日から、私は目を凝らすと縁側で板の観察をするようになった。尖ったささくれでまた怪我をしたくなかったからだが、床板をよくよく眺める内に、私は模様と......>続きを読む 良いお天気です。年内はこれで寒く…
私の手にポタリと何かが落ちた。何だろう、母の涎だろうか?。見上げる私の目には、如何にもそんな事が起こりそうな感じで母の口元が緩んで見えた。透かさず「汚い!」という言葉を口にした私だった。母はえっという感じで怪訝な面持ちをした。私の視線の先…
うの華 103 その時、四郎、と、障子の向こうから祖父の呼ぶ声がした。父は祖父母のいる座敷に顔を向けた。「そうか、父さんだな。」こんな合わない時間に菓子等やって、そうぶつぶつ言うと、父は......>続きを読む 良いお天気になりました。メールボックスの…
私の母は急に項垂れてしょんぼりした。如何したというのだろうか、私は階下で起こっている出来事に如何にも合点が行かず、自分自身がこれからこの家族の状態にどの様に参加して行ってよいのかさっぱり分からなかった。 『兎に角何か言おう。』、そう決意して…
「智が死んだなんて、お義父さんの勘違いじゃないですか!。」 思い切って口にすると、ややぷんとした顔付きで舅から身を反らした嫁である。それに対して舅は少々怯んだ気配になった。が、廊下から如何やってこちら側が見えたものだろう、透かさず「お父さん…
うの華 101 こんな古めかしい木のせいで怪我するところだった。「もう!」と私は床を掌でバシバシと打った。「痛!。」私は新しい痛みに声を上げた。床を打った掌を仰向けてみると、赤い血がにじ......>続きを読む 穏やかなお天気になりました。でも、晩秋で…
うの華 98 「縁側を見ているんだよ。」私は素直に答えた。私自身が興味のある物を祖母に知ってもらう事は、私に取ってとても嬉しい事に思えたからだ。「縁側?。」祖母は何やら不思議な面持......>続きを読む 今日は晴れ間も見えて、午後は良いお天気でした。
私の母がそろりと居間へ姿を現した。その顔はというと、私の目にはさも嫌そうな渋り顔に見える。片や祖父の背は丸くなり、彼が非常に喜んでいるのが私には分かった。『お祖父ちゃん、嬉しそうだな』と私は感じた。 姉さん、良かった!、来てくれたね。祖父…
うの華 97 何時しか私は板の上に四つん這いになると、丸く弧を描く模様達に目をくっ着ける様にしてそれらを嘗める様にしげしげと見詰めていた。その薄い茶色いから焦げ跡のように暗く濃い木目迄、樹木が......>続きを読む 曇天の今日。気侯は穏やかです。1日…
「本当に、お前という子は可笑しな子だなぁ、智ちゃんよ。」 祖父は笑顔で興味深げに言った。 「この悲劇の、祖父孫の今生の別れという、ここ一番の見せ場という物を、こうも上手く喜劇の場面に変えてしまうとはなぁ…。」 これも何かの一つの才能かしら。そ…
うの華 96 うの華 二部 今日も今日とて朝食後、私はいそいそと縁側へとやって来た。縁の入口にある障子戸の敷居に腰を掛けると、一段下がった場所から長......>続きを読む とても良いお天気です。夏日です。半袖でいます。夜半から雨になるようですが、暑苦…
彼は興味深気な顔付きをして私を見た。面白そうに私の口元を眺めていたが、よく回る口だなと呆れた様に嘆息した。 祖父は、「分からないなぁ。」、そう呟くと、不思議そうな目をした私に、「お前の事だよ」と語りかけた。私?、私の事が分からない?。そうか…
それからの祖父は、「家の物は皆何をしているんだろう?。」、そう不思議そうに呟いた。 主や内の子供がこんな状態になっているというのに、誰一人見にも来ないとは…、一体この家はどうなっているのだろう。そう静かだが不満げに呟いた。私は祖父を見上げて…
うの華 95 『夢だろうか?』これは現実では無く、もしかすると夢という場合もあるかもしれない。私は頬を抓ってみようと思い頬に指を当てがったが、母の顔を見詰めながらこの場面をどう思いあぐねて......>続きを読む 良いお天気が続きます。小春日和ですね。…
いやぁ全く驚いたなぁ、本当に。お前にこんな芸当が出来るとは。それもここ迄やるとは、なんともはやだ。玄人はだしというものだよ。大した役者も顔負けという物だ、何しろ階段から落ちて迄見せるというのだから、これは勲章物だよ。祖父はそう言うと、手等…
すると祖父はフフッと笑って、私も落ちぶれたものだな、こんな小童に案じられるとは、と独り言の様に語った。 私は、祖父の言葉が少し分かったような気がしたが、その言葉の前後の脈絡という物がさっぱり理解できなかった。私は彼を見詰めた儘黙っていた。「…
そんな一連の祖父の動作が、酷く私の笑いの壺を刺激した。もう、お祖父ちゃんたら、何をおどおどしているのだ、と私はキャッキャと、とても可笑しいと言って笑った。 すると、祖父は瞬く間に顔色を白くして、無表情な顔を浮かべた。その後、私の極めて愉快な…
さて、階段に1人取り残された形になった私は、父に言われた上に祖父に迄も言われたのだと、ふうっと溜息を吐いた。そうして、では2階に上ろうかと体の向きを変えて階段の方に私の腹を付けた。 片手で階段の縁を掴み、もう片方の手を伸ばすと、私は上の段に…
「お祖父ちゃんは…、長く生きて来て、…商売も上手いし…。」如何いったらよいのだろうか、私は未だ自分の言いたい事がよく分からず悩んでいた。 「お金だって沢山儲けたんでしょう。」思わずポツリと言ってしまった。その為私は言い訳の様に、祖母がそう言っ…
うの華 94 こんな返事が戻って来るとは、親が自分の子を嫌いだなんて!。この時の私は確かに驚いた。「私が嫌いなの?!。」私にとっては、自分が人に嫌われているという事自体が思いも掛けない......>続きを読む 今日の日曜日は、まぁよいお天気でした。青空…
うの華 93 「お前なんか、…。」母は憮然として言って言葉を切った。彼女はそのまま言葉を飲み込んだ儘黙って私から顔を背けた。 裏庭に向き直った母は不機嫌な様相で黙りこくっていた。そ......>続きを読む 曇り空の土曜日。午後は雨になりそうです。寒くな…
この世界に生まれ出て未だそう間もない私だもの。この世を長く過ごして色々な経験を持った大人の祖父や父、他の我が家の家族やこの世の中の様々な人々は、当然こういった祖父の物言いや遣り取りに、さも当然、当たり前の様に何かを察する事が出来るのだろう。…
少し場の空気が淀んだ気がした。気だるい私は目を閉じたまま微笑んでいた。『父は何を生真面目に焦っているのだろうか?。』、微笑む私はそんな疑問を胸の内に持っていた。 何時もの彼は私の父親然として振舞い、終始表面は落ち着いて見えた。この時聞こえて…
うの華 92 父について、祖母または祖父が何を如何云ったのか私は知らないが、彼等が親の心構えとして何かしらの忠告や助言をしてくれたのは確かだった。何故なら父は、それ迄の様な私を疑うという態度を......>続きを読む 今現在、青空がのぞいています。暖…
居間の入り口に達する頃、私の視界は狭まっていた。目に見える世界の縁が隈取りされている様な感じだ。そして踏み出す自分の足が酷く重く感じる。居間に入って2歩ほど進むと、私は息も切れる様な感じになり、到頭その場にしゃがみ込んだ。 気が付くと私は祖…